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世界史から学ぶ科のブログ
7月17日 第3回共通講義
 テーマ:「老年の幸せを考える」

   講師 桝居 孝先生
   
     1926年東京生まれの87歳
     東京大学法学部卒業後、大阪府民生部長、教育長、日本赤十字社大阪府支部事務局長を歴任
     現在、日本児童文学会会員 職業は「モノ書き」で実質年金生活者とのこと


               H26.07.17 共通講義写真①

   講演内容

   (前半)

   レジュメにとらわれず、「今日は認知症について話します」と実母と義母の認知症介護の経験談でお話を
  始められました。
   実母の介護は92歳から9年間3人の妹さんが交代で担われ、その引き継ぎのためにヘルパーさんも加わ
  り、ノートに記録を綴られ26冊になったそうです。
   記録を読むと、お母さんは症状が進むと窓に映る朝日を見て、子どもの頃に経験された八王子大火を思
  い出して大変怖がられたことなど、認知症が段々進行する様子がよく分かるそうです。
   また、先生がお母さんの過去を調べられるうちに、「花子とアン」の村岡花子や柳原白蓮、また樋口一葉
  と交渉のあったことなどのエピソードも話されました。

   奥さんのお母さんの認知症介護は、99歳から3年間、同居して奥さんと介護ヘルパーさんに先生も加わ
  り介護されたそうです。
   先生は、夜になると奥さんがお名前を呼ぶ義母の声が聞こえる様にリビングを義母の居間に改造される
  など、色々な毎日の介護記録を記されました。
   その経験から、先生は「老年には誰もがいつかは支援を必要とするようになる。男性も介護に参加すべ
  きだ」と強調されました。
  
   認知症症状は脳の機能低下による症状で、①健忘 ②失見当職 ③失認 ④失行 ⑤失語などの普遍
  的に現れる中核症状と介護拒否や異常な食行動、徘徊、暴言、暴力など環境による個人差が多い周辺
  症状があるそうです。先生は、親戚の方の被害妄想の実例を話されました。

   前半のまとめとして「老年の幸せとは、周りから支えられて本人が満足する態勢である」と話され
  ました。

   (後半)

   先生は85歳で病気になり介護を受ける経験をされましたが、「人間の脳は使えば使うほど良くなる」
  ことを信じて、モノ書きを再開され「『ちゑのあけぼの』の探索」(児童文学特別賞)を著述されました。
   先生はそれまでにも、赤十字社に関係して「太平洋戦争中の国際人道活動の記録」、「雑誌『少年
  赤十字』と絵本画家 岡本帰一」、「世界と日本の赤十字」などの著作を著されて、これらの本は今日の
  講演にも関係することから紹介されました。(これらの4著作は高齢者大学の事務所で貸出されるそう
  です)
   
   最後のまとめとして「QOD」(クオリティ・オブ・デス=死の質)は、最後をどのように迎えるかを問題に
  するものです。
   延命措置についても本人が決めるべきであるが、するかしないかだけの二者択一でなく、残る家族の
  ことも考えて安らかな死を迎えることが肝要です。
   死は自然に帰るもので、加島祥造・帯津良一の「静けさに帰る」(風雲舎)の中の二人の対談『身体や
  細胞は、加齢により衰えるが、目に見えない命のエネルギーは、年齢とともに高まっていく 水の流れの
  ように自然に従い、やがて大きな海に到る』を紹介されました。

   そして「私は母と同じように最後は認知症になると思うが、難しい老人にはなりたくありません。可愛い
  認知症となり、安らかな死を迎えたい」と締めくくられました。




   ・・・総務省の行政相談・・・

      共通講義の時間をさいて、近畿管区行政評価局の職員と大阪市旭区行政相談委員
     が来られて、総務省の行政相談制度についてパワーポイントを使って説明されました。

      行政相談とは、国の仕事について、苦情、相談、問い合わせだけでなく要望、提案なども
     受け付ける制度です。

      窓口は行政評価局、各区市町村(行政相談委員)、大阪総合行政相談所(大丸大阪店)、
     インターネット、電話0570-090110で受け付けます。








   


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7月10日 第2回共通講義
 テーマは「高齢期の終活 人生の統合準備とレジリエンス」、講師は大阪人間科学大学 石井京子教授。


                 ブログ写真1


                 ブログ写真②


   ・豊かな高齢期を迎えるために行う活動は終活と表現され、その中の一つに、家族(主として配偶者)の
看取りと自身の最期への準備があります。具体的には、延命治療や介護、葬儀、相続などについての
希望をまとめ、準備を整えることなどがあります。

   ・E.エリクソンによれば、人生には8つのステージがあり、その各段階において直面する発達課題が
ある。高齢期は人間の生涯を完結する重要な時期であり、その発達課題は「統合性」であるという。
今までの自分のライフワークや生活を総合的に評価し直すという作業を通して、自分の人生を受け入れ
て、肯定的に統合しなければならないが、これに失敗すると「絶望」を感じることになる。

   ・一方、人間には配偶者との耐え難い別離を経験しながらも、その困難な状況を乗り越え、立ち直って
    いく力を発揮します。これを復元力(レジリエンス)と言います。 

  今回は、これらについてお話をお聞きしました。


   <講座の主な内容>

    1、高齢期の「人生の統合」準備      
      ・高齢期の人生の統合準備とは

      ・身近な看取りの体験を話し合う(隣り合った2人が心に残ったこと、つらい体験を
       のりこえたときに有用だったこと等)

      ・なぜ、死の準備学習・教育が必要か

      ・死の準備教育4つの目標
              -知識・価値観・感情・技術の習得
              -死に逝く人の抱える欲求と対応を理解する(看取り)
              -残される家族への悲嘆教育
              -自身の死を考え、生を全うする

      ・本人最期に対する準備の現状

      ・人生の最期についての準備
              余り準備がなされていないもの:遺言状、身の回りの整理、
              やり残したことの取組み

      ・第3人称から第1人称への死(告知から最期の治療等

    2、困難な状況から立ち直る力(レジリエンス)      
      ・レジリエンスの構成成分

      ・レジリエンスを伸長する

      ・人生の統合に関与するレジリエンス (復元力)とは

    ★以上、内容が難しかったのですが、すべての項目について丁寧な説明、具体的な例があり、よく
     理解できました。これからの私たちの人生を考えるのに、役立てたいと思いました。



   最重要(印象に残った言葉)

     「やるなら今でしょ」

     「思っていることを文章にする」
                         ・・・・(たくさんの方がエンディングノートを買っていました)
      

 




7月3日 校外学習(龍谷ミュージアム他)
 初めての校外学習は、龍谷ミュージアム見学でした。

 6月19日に”仏教の伝来”の講義を受けていましたので、平常展「仏教の思想と文化:インドから日本へ」は
仏教についての理解を深める上で役に立ちました。

 講師の関西大学講師 影山悦子先生より、全体の説明を受けてから、2班に分かれて先生の解説を聞き
ながらの見学となりました。座学と違って解放感もあり、楽しいひと時でした。


                CIMG5822.jpg                        龍谷ミュージアム会議室での講義

                CIMG5824.jpg
                      トルファン、べゼクリア石窟壁画の復元写真


 龍谷ミュジアム見学の後、この春に国宝指定された、西本願寺の御影堂、阿弥陀堂などを見学してから、
龍谷大学大宮学舎へ。途中で国宝の唐門を真近かに見ながら。

                CIMG0583.jpg
                          西本願寺の唐門(国宝)


 大宮キャンパスの校舎も重文に指定された立派な建物です。歴史が守られていました。若い学生に交じって
生協で昼食をいただきましたが、味、金額ともリ―ゾナブルでした。

 昼食の後、最後の目的地である東寺へ。生憎の雨で、10分の行程がやけに長く感じました。
 密教の根本道場で、多くの国宝、重文に指定された仏像があります。雨の中、金堂、講堂におわします、多く
の仏様にお会いできました。
 
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                             東寺 五重塔を望む


 せっかくの京都でしたが、雨にたたられ散々でした。これも思い出に残る一日になるでしょう。